接着細胞の剥離や,組織から初代培養細胞を分離,分散させるのに適した調製済み試薬です。ヒトES細胞,ヒト間葉系幹細胞(human mesenchymal stem cell),ヒト神経幹細胞(human neural stem cell)などにおける使用実績があります。
溶液状でReady-to-useのAccutaseと,凍結乾燥粉末状のAccutase LZがあります。
※Accutaseのサンプルをご用意しています。サンプルをご希望の方は当社テクニカルサポート(下記参照)までお問い合わせ下さい。
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Accutase(溶液) | Accutase LZ(凍結乾燥粉末) |

組織・培養細胞の剥離/分離/分散溶液「Accutase」の特長
- プロテアーゼ活性とコラゲナーゼ活性が最大限に効果を発揮するように組み合わせてあります。
- 穏やかかつ迅速に作用するので,高い細胞生存率を示します。
- 哺乳動物細胞や微生物由来の物質は含んでいません。
- AccutaseはDulbecco’s PBS(0.5 mM EDTA・4Na,フェノールレッド含有)で調製済みのReady-to-useフォーマットです。
- Accutase LZは凍結乾燥品で,省スペースで保管できます。蒸留水を加えて溶解し,ろ過滅菌を行って調製します。1バイアルで500 mlのAccutaseが調製できます。調製方法は下記をご覧下さい。
- 反応停止や中和操作は不要です。
- Accutaseを用いて剥離,分散させた細胞は,様々なアプリケーションに使用できます。
品名 | Accutase | Accumax (関連製品) |
製品外観 | ![]() |
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酵素活性 | 標準 | 強め |
反応停止,中和操作 | 不要 | |
動物・微生物由来成分 | 不含 | |
フェノールレッド | 含有 | 不含 |
アプリケーション例
- バイオリアクターによる細胞の大量培養
- 細胞の継代
- フローサイトメトリー
- 細胞表面マーカーの解析
- 血清飢餓による細胞周期同調
- がん遺伝子導入による形質転換
- ウイルス増殖試験
- 神経冠細胞移動アッセイ
- 細胞増殖アッセイ
- 細胞の接触走性アッセイ
- 腫瘍細胞の遊走アッセイ
使用実績のある細胞
線維芽細胞 | ケラチノサイト | 血管内皮細胞 |
血管平滑筋細胞 | 肝細胞 | 肝前駆細胞 |
ヒトES細胞 (human embryonic stem cell) |
ヒト間葉系幹細胞 (human mesenchymal stem cell) |
ヒト神経幹細胞 (human neural stem cell) |
ニワトリ初代培養神経細胞 | 骨髄幹細胞 | マクロファージ |
マウス精巣胚細胞 | 293 | 3T3 |
A375 | BHK | CHO |
COS | D54 | HeLa |
HT1080 | L929 | M24 |
NT2 | MG63 | U251 |
Sf9 | Vero |

Accutaseによる細胞の剥離
培養用ディッシュを用いてDMEM(10% FBS含有)培地で培養したヒト線維肉腫MG63細胞を,Accutaseを用いて剥離した。Accutase処理時間を変えて細胞を回収して計数を行い,細胞生存性を測定した。Accutaseでの処理により,迅速に細胞剥離が起こり(処理後5分),単一細胞に分散し,その後の細胞生存性も高いことがわかる。Accutaseは穏やかに作用するため,45分間処理した細胞でも,97±3%と高い生存性を有していた。

Accutaseにより剥離したhES細胞の凍結後の生存性
ヒトES細胞を培養後,Accutaseまたはコラゲナーゼで剥離し,凍結保存した。液体窒素中で2か月間保存後に播種し,1日後に全細胞数と生存細胞数を計数した。Accutaseで剥離処理を行った細胞(緑色)の方が,コラゲナーゼで剥離を行った細胞(青色)よりも,凍結保存後の生存細胞数が多いことがわかる。
組織・培養細胞の剥離/分離/分散溶液「Accutase」の操作方法概略
※操作はすべて滅菌条件下で行って下さい。
- 接着性細胞を培養している容器から,培地を吸引除去する。
- 細胞全体を覆う量のAccutaseを添加する。
- 約5~10分間静置する。
- 顕微鏡下で細胞を観察し,細胞の形態が球状となって軽く浮遊していることを確認したら,容器の縁を何回かタッピングする(または穏やかに数回ピペッティングを行う)。
- 細胞数を計数し,継代する。酵素阻害物質の添加や洗浄は不要。
Accutase LZの調製方法概略
- 400 mlの室温または冷蔵蒸留水を用意し,500 mlメスシリンダーに入れる。
- Accutase LZのバイアルのふたを外し,冷蔵蒸留水40 mlを加える。ふたを閉めて1~2分間ボルテックスまたは転倒撹拌を行い,溶解させる。
- ピペットを用いてバイアル中のAccutase溶液をメスシリンダーに移す。
- 空になったバイアルに25 mlの冷蔵蒸留水を加え,すすいだ後,同様に溶液をメスシリンダーに移す。これをもう一度繰り返す。
- メスシリンダーに冷蔵蒸留水を加え,500 mlまでメスアップする。
- パラフィルムなどでメスシリンダーに封をして,転倒撹拌を複数回行い混合する。
- 0.22μm のフィルターを用いてろ過滅菌を行う。セルロースメンブレンなど,タンパク質付着性の低いフィルターを用いる。
- 調製したAccutase溶液は,冷蔵(2~8℃)で約2か月保存可能。
Accutase / Accumax 使用文献リスト
Accutase / Accumaxの使用文献リストはこちらをご覧下さい。
組織・培養細胞の剥離/分離/分散溶液「Accutase」のFAQ
Accutase / Accumaxに関するFAQはこちら。
組織・培養細胞の剥離/分離/分散溶液「Accutase」の価格表
メーカー | 商品コード | 商品名 | 包装 | 価格 | 在庫 | リスト |
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ICTイノベーティブ セル テクノロジーズ Innovative Cell Technologies, Inc. | AT104 | Accutase | 100ml | \3,800 | 2個以上 | 追加 |
ICTイノベーティブ セル テクノロジーズ Innovative Cell Technologies, Inc. | AT104-500 | Accutase | 500ml | \12,000 | 2個以上 | 追加 |
ICTイノベーティブ セル テクノロジーズ Innovative Cell Technologies, Inc. | AT106 | AccutazeLZ-Lyophilized Accutase (500ml) | 1vial | \17,000 | 2個以上 | 追加 |
メーカー | 商品コード | 商品名 | 包装 | 価格 | 在庫 | リスト | |||||||||||||||
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ICTイノベーティブ セル テクノロジーズ Innovative Cell Technologies, Inc. | AT104 | Accutase | 100ml | \3,800 | 2個以上 | 追加 | |||||||||||||||
説明文 | 組織および培養細胞分離分散溶液。接着細胞の剥離や,組織からの初代培養用細胞を分離,分散させるのに用いる。調製済み溶液。別包装品あり | ||||||||||||||||||||
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掲載カタログ | 細胞培養わーるど 2010-2011 幹細胞・培地 p.127 | ||||||||||||||||||||
製品記事 | 組織・培養細胞の剥離/分離/分散溶液 Accutase/Accutase LZ | ||||||||||||||||||||
関連記事 | |||||||||||||||||||||
ICTイノベーティブ セル テクノロジーズ Innovative Cell Technologies, Inc. | AT104-500 | Accutase | 500ml | \12,000 | 2個以上 | 追加 | |||||||||||||||
説明文 | 組織および培養細胞分離分散溶液。接着細胞の剥離や,組織からの初代培養用細胞を分離,分散させるのに用いる。調製済み溶液。別包装品あり | ||||||||||||||||||||
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掲載カタログ | ニュース 2015年5月1日号 p.12 | ||||||||||||||||||||
製品記事 | |||||||||||||||||||||
関連記事 | |||||||||||||||||||||
ICTイノベーティブ セル テクノロジーズ Innovative Cell Technologies, Inc. | AT106 | AccutazeLZ-Lyophilized Accutase (500ml) | 1vial | \17,000 | 2個以上 | 追加 | |||||||||||||||
説明文 | 組織および培養細胞分離分散試薬。接着細胞の剥離や,組織からの初代培養用細胞を分離,分散させるのに用いる。凍結乾燥粉末。1バイアルで500 mlのAccutaseが調製可能。 | ||||||||||||||||||||
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掲載カタログ | |||||||||||||||||||||
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