マイコプラズマ(mycoplasma)汚染防止の重要性
マイコプラズマは、培地や培養細胞の主要な汚染源の1つで、培養細胞の生育や実験データに影響を及ぼすことが知られています。
実験前にマイコプラズマ汚染の確認を行うと共に、日々取り扱う培養細胞を汚染から守ることは、実験データの信頼性の維持に重要です。
Minerva Biolabs社(MNV社)では、マイコプラズマ汚染の、「検査(検出/定量)」、「除去」、「汚染防止」に有用な製品を各種取り揃えています。
マイコプラズマ用途別選択リンク

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マイコプラズマ(mycoplasma)の検査(検出/定量)
■ PCRによる検査(検出)製品名 | VenorGeM Mycoplasma Detection Kit | ![]() |
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検査(検出/定量)概要 | 細胞培養液やウイルスストックなどの各種試料中から,マイコプラズマ(mycoplasma)のDNAをPCRにより検査(検出)するキットです。 通常のPCR後,電気泳動で確認します。 培養細胞に混入するほとんどのマイコプラズマ(79種以上)を高感度に検出できます。 |
製品名 | VenorGeM Advance Mycoplasma Detection Kit | ![]() |
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検査(検出)概要 | 細胞培養液やウイルスストックなどの様々な生体試料から,マイコプラズマ(mycoplasma)のDNAをPCRにより検査(検出)するキットです。 反応チューブ内にdNTPsとプライマーがあらかじめ分注されており,迅速なマイコプラズマ(mycoplasma)の検出が可能です。 また,培養細胞に混入するほとんどのマイコプラズマ(79種以上)を高感度に検出できます。 |
製品名 | VenorGeM OneStep Mycoplasma Detection Kit for Endpoint PCR | ![]() |
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検査(検出)概要 | 細胞培養液,各種生体試料および培地などに含まれるマイコプラズマ(mycoplasma)DNAを,エンドポイントPCR法により直接検査(検出)できるキットです。 ポリメラーゼを含む反応液(OneStep Mix)が付属しているため,従来品と比較して簡便にマイコプラズマ(mycoplasma)汚染を検出することができます。 |
製品名 | VenorGEM-qEP Mycoplasma Detection Kit, for qPCR | ![]() |
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検査(検出/定量)概要 | 細胞培養上清や血清などの各種試料中の,Mollicutes(Mycoplasma, Acholeplasma, Spiroplasma)のDNAをリアルタイムPCRにより検査(定量)するキットです。 |
マイコプラズマ(mycoplasma)の除去
■ 細胞膜破壊で除去製品名 | Mynox-Mycoplasma Elimination Kit | ![]() |
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除去概要 | マイコプラズマ(mycoplasma)の成長を抑制するのではなく,直接細胞膜を破壊し除去します。 そのため,マイコプラズマ(mycoplasma)を効果的に除去できます。 抗生物質を含まず,耐性株ができることはありません。 |
製品名 | MynoxGold | ![]() |
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除去概要 | 培養開始時に添加するStarter treatmentと,継代する際に添加するMain treatmentの2種類の試薬から構成されており,マイコプラズマ(mycoplasma)をほぼ完全に除去できます。 |
マイコプラズマ(mycoplasma)の汚染防止
■ 培養細胞用汚染防止試薬製品名 | Zell Shield | ![]() |
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汚染防止概要 | 細胞培養時のマイコプラズマ(mycoplasma),バクテリア,真菌類などのコンタミネーション(汚染)防止試薬です。 強力な抗生物質の組み合わせによりバクテリアの DNA 合成やタンパク質合成を阻害します。 |
製品名 | WaterShield | ![]() |
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汚染防止概要 | CO2インキュベーター内のウォーターリザーバーの水など,細菌等に汚染されやすい水を除菌,汚染(コンタミネーション)を防止します。 マイコプラズマだけでなく,ほとんどのバクテリア,原生生物,藻類,菌類,酵母に対して除菌効果を発揮します。 |
製品名 | Mycoplasma-Off | ![]() |
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汚染防止概要 | マイコプラズマ(mycoplasma)を除去するスプレータイプの製品です。 実験台,クリーンベンチ,インキュベーター等,研究室のあらゆる場所に吹きかけるだけでマイコプラズマ(mycoplasma)を除去し,汚染を防ぎます。 |
製品名 | Mycoplasma-Off Wipe | ![]() |
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汚染防止概要 | ピペットやクリーンベンチなどの表面を拭くだけでマイコプラズマ(mycoplasma)やバクテリア,ウイルスを除去できるクリーニング用のウェットワイパーです。 |
マイコプラズマに関するFAQ
A マイコプラズマは細菌類に属する微小な寄生生物です(個体サイズ:0.1 ~ 0.8 μm)。細胞壁を持たないため,細胞壁を標的とする数多くのβラクタム系抗生物質(ペニシリンなど)に耐性があります。
また,0.22 μm のフィルターを通過するため,フィルター滅菌による除去が困難です。
A マイコプラズマは細胞壁を標的とする抗生物質に対する耐性があ
るため,知らないうちに培養している細胞がマイコプラズマに汚染されていることが多々あります。
細胞がマイコプラズマに汚染されていても,マイコプラズマが微小であるため光学顕微鏡では確認できません。そして細胞に明瞭な損傷を
与えないため,知らずに継代してしまうケースがほとんどです。しかし,実際にはマイコプラズマの汚染によって,細胞内のほとんどすべての代謝反応,細胞の表現型や成長にまで影響を及ぼすとされています。細胞を使って得た実験データに,マイコプラズマによる影響が出ていることも少なくありません。
A マイコプラズマは細菌類に属する微小な寄生生物(個体サイズ: 0.1 ~ 0.8 μm)であるため,目視できません。マイコプラズマ汚染を確認するためには,電子顕微鏡が必要です。
A 培養細胞中のマイコプラズマ汚染の検出には,直接法と間接法の2 つがあります。
直接法: 1 つまたは複数の栄養源豊富なマイコプラズマ用培地を使用し,培養条件を調節してマイコプラズマを培養する方法です。この方法はマイコプラズマ生菌に対しては感度良く結果が得られますが,時間もかかり,結果が出るまでに通常1 か月近くかかります。
間接法:さまざまな方法があり,感度や操作の簡便さにも違いがあります。DNA 蛍光,RNA ハイブリダイゼーション,免疫蛍光法,電子顕微鏡法,ELISA,DNA プローブ,生化学的検出法などです。
間接法には,直接法より優れた2 つのメリットがあります。まず,培養不要であるため,培養できないマイコプラズマ株でも検出可能になります。そして,直接法よりも迅速性があり,数時間で確認作業が完了します。
従来は,2 種類の異なる手法を用いることでマイコプラズマ汚染を確認していました。最近では,PCR を用いた検出法の登場により,マイコプラズマ汚染検出の利便性と結果の信頼性は,非常に高いものになってきています。